１９７０年代～９０年代半ばに、空軍のミラージュ戦闘機のパイロットや陸軍軽航空司令部のパイロットに支給されていました。 当該商品は、左腕のシガーポケットが楕円形のファーストタイプです。セカンドタイプに切り替わったのが１９８０年前後なので、７０年代の製品とみられます。 タグが欠損しているので官給品か民生品か確定できませんが、フランスのコレクターが目安とする官給品の特徴はほぼ満たしています。その特徴とは以下の通りです。 １）襟中央下にタグ（白地に黒い文字で、メーカー名、発注番号／製造年、サイズ） ２）取り外し式の襟のファー（ファーストとセカンド前期はボタン留め、セカンド後期はジッパー留め） ３）腰の内ポケットにオレンジ色の緊急ベスト ４）左腕にシガーポケット（ファーストは楕円形、セカンド前期は長方形でサイドジッパーあり、セカンド後期は長方形でサイドジッパーなし） ５）色はダークブルー（セカンドはペトロールブルー） ６）ポケットが７つ（腰×２、左腕、左胸のランクタブ、内側×２、内側サイド） ７）袖内側に風の侵入を防ぐゴム ８）ドットボタンによる３段階のウエスト調整 ９）エクレールのダブルジッパー １０）背中は一枚革仕立て １１）ライニングは黒（セカンド後期はジッパー取り外し式のキルティングライナーが付属） １２）襟の後ろのジグザグのステッチ １～３は欠損していますが、そのほかの条件にはすべて満たしています。 状態としては、袖口に色落ちや小さな破れがあるほか、背中に１カ所切り傷があります。また、胸のランクタブには、階級章か部隊章を付けたとおぼしきピンの穴があります。 しかし、ライニングや袖内側のゴムはほつれもなくきれいで、ジッパーもスムーズです。革も厚みがあってしっかりしています。光の加減で色合いが変わるダークブルーはシワごとに異なる陰影を生み出し、軍務で使われていたモノだけが持つすごみを醸し出しています。 後付けのタグには、手書きで「１０４Ｍ」とあります。この時期のフランス軍衣料品は、胸囲と着丈・袖丈（Ｃ、Ｍ、Ｌ、Ｘ）を組み合わせたサイズ表記なので、胸囲１０４センチのＭ（moyen＝中間）丈の意味です。 ○平置き実寸 肩幅：５１センチ 胸囲：５９センチ 袖丈：６０センチ 着丈：６３センチ ※誤差はご容赦下さい。 古着に慣れていない方はご遠慮下さい。