世界中のスタジオで、モニタースピーカーとして今も活躍中のYAMAHAの名機「NS-10M」。かなり古いモデルですが、実際にアンプにつなげてみると、あたかもFMのサブスタジオにいるかのような定位とメリハリは、今でも「さすがはテンモニ」というところです。 ◎写真でご覧のとおり、この個体、ありがちなウーハ白コーンの凹みなどはゼロ、エンクロージャー（スピーカーの箱部分）の小傷も少なく、NS-10Mらしい黒と白のメリハリがきいてます。そのままの形でキレイに大切に扱われてきた個体というべきでしょう。 ◎音質も非常に良好です。全ユニットからテンモニらしい輪郭のハッキリした明るい音が出ています。ちょっと堅めの「テンモニらしい音」です。コンデンサーの劣化も少ないと推測され、ネットワークはオリジナルのままにしています。ポリマー加工（下記）の後、十分な乾燥を経て、明るく歯切れのいい、これこそモニター♪ という音を手に入れました。FMラジオのアナウンサーの姿、ジャズの一つ一つの楽器が目に見えるようです。 ◎ウーハにスピーカー専門のポリマー加工、エッジに柔軟化処理を施してあります。ポリマー加工とは、コーン紙の表面に極めて薄い高分子密着被膜を作るもので、一義的にはコーン紙の劣化を防ぎ、本来の白さを取り戻し、湿気や紫外線などからウーハを守るためですが、コーン紙の剛性を高める作用も持つため、音を引き締めて音像をハッキリさせる効果があります。 あくまで主観ではありますが、30年前の張りのある低音が甦ったと思っています。ウーハの表面に若干のツヤがあるのはこのポリマー加工ゆえ。また高分子被膜は極めて薄い被膜であるため質量をほとんど増やすものではなく、音色の方向性そのものに変化はありません。 ◎念のため書き添えます。美品ではありますが、同時に30年以上前のでもあります。状態はあくまで写真の通りで（拡大するなどしてお確かめください）微細なキズや打痕などなくはありません。また背面取説シールや接続端子部分は変色して（機能に問題はありませんが）新品同様とはいきません。そのあたりご承知おきください。幅215x高さ382x奥行199mm。【105麻】