先に、マイスターシュテュック 146としてアップしましたが、軸の長さ太さが共にひと回り小さくなっている事が気になり、細部まで丁寧に調べましたら、軸の下部に 144 と刻印がありました。 色は、ダークブラウンです。一見黒のように見えますが、マイスターシュテュック 146 と比べると、ブラックではありません。144 はカラフルな色で製作された様で、ご婦人向け？と推察します。 1950年代のモンブラン マイスターシュテュック 144 輸出向け商品には、キャップの金帯にMONTBLANC MASTERPIECEと表記されています。ちなみにMASTERPIECEの意味は、「傑作」や「代表作」と言う意味があります。第二次世界大戦終了後、経済状況が悪い中にあって輸出された製品で、当時としては贅沢品であり、超一流品でした。分断された敗戦国、西ドイツのモンブラン社の意気込みが感じられます。 マニアが高く評価する点は、歴史的な製品である。の他に、日本人好みの、書き味が柔らかくしなり、潤沢なインクフローと、薄く横長のペンポイントのため、くっきりとした明朝体の文字が描ける。と言う事です。 文字の太さは、細字です。ペン先は、ほとんど減りは有りません。 キャップのトップの白い星が、薄黄色に変色している点や、最後の写真のキャップに穴が開けられている事も、長い歴史を感じさせる。と評価が高いようです。 ペンがロジウム装飾されており、中白の元となるデザインです。 軸はすべてセルロイド製。インクウィンドウはライトブウンで、ショートタイプです。 吸入はテレスコピックピストンですが、現在のものとあまり差はありません。吸入開始と終了を知らせるためノブが空回りするように出来ており、さらにテレスコピックピストンを備え、ピストンが２段に伸び縮みしインクを吸入します。 今から70年も前の古い物ですので取り扱いは注意して下さい。長期間使用しない時は、ぬるま湯でインクウィンドウの中のインクを洗い流し、その後乾かしてから保管するようにして下さい。